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海となかまと音楽と、、、そして、知的パラダイムシフトのために・・・


by i-coast

星屑は星屑を目指す

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にわかに信じがたい話だが、我々の体は 星屑から出来ている。


ビッグバンによって宇宙中に発散したエネルギーと物質が
長い時間をかけて収束と爆発を繰り返し、その中の局部銀河団
銀河系、オリオン腕、銀河系中心から遠く離れたその付近に
太陽系とその付近星達が銀河系の中心の回転につられ回転しながら
移動している。

左のような星系の原型が塵の中から出現し、円盤状のような渦巻きを
つくりながら、どんどん中心に収束していく。

そして、太陽のような恒星と、これを中心に周回軌道をまわる惑星・衛星が
誕生する。

そして、いまやSETI(地球外文明)探索の前提ともなっている
「地球型惑星」の条件

     太陽のような恒星から一定の距離があり

     岩石型惑星であり

太陽系では、この条件に合致するものは地球、金星、火星、地球の月が該当する。

     表面から水が逃げない一定の重力(大きさ)や水の循環システムがあり

     適度な気温、気圧

ここまで来ると、地球だけになってしまうようである。

 
<写真:宇宙を見つめる大きな”目”の星雲>
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しかし、金星は太陽に近いこと、そして、噴火した火山から硫黄が変化した硫酸の雲が金星全体を覆い、硫酸の雨・・・・・・、そして、雲と太陽熱による温室効果で 地表の温度は摂氏100度、気圧は100気圧。 まさに地獄の世界である。 ここには生物は生まれることもなかったのではないか。

そして、我々は宵の明星、明けの明星、英語ではヴィーナスとして、親しむ ひときわ明るいこの星の光は、そんな地獄を作りだしている 硫酸の雲が太陽の光を反射しているのだ。


そして、火星。
ご存知の通り、地球と似た大きさの星で、南極には永久に溶けることのない極冠といわれる氷がある。 1976年にヴァイキング1号初の着陸がなされた後、近年のMarth Pathfinderに至るまで、まだ生物の痕跡は見つかっていない。 ヴァイキング1号からの初の地上写真の右端の岩石に"2BG"らしき文字が映っていたと、話題になり、NASAは断じて文字ではない、、、と否定していたことが思い出される。 サトウサンペイ氏の フジ三太郎でも きっと火星人が ツーボインガール(2BG)にあこがれて書いたんではないか、、などというネタもあった。
当時、米ソは宇宙開発にしのぎを削っており、秘密裏に月面基地や火星基地などを開発しつつあったので実は先に実踏した宇宙飛行士がいて目印に書いたのではないか・・・などの憶測も呼んだ。  最近では、観測機から落ちたらしい部品が ウサギのように映っているなどという写真も公開されている。
また、火星から飛んできたという隕石も地球上で見つかっている。
火星からどのような経緯で岩石が宇宙空間に放り出されたのだろうか。

<写真:ハッブル望遠鏡からのネコ目星雲>
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そして、地球の月。

この星はもともと地球と双子だったのではないか、または、地球に大きな隕石が衝突し、その衝撃で地球の一部が飛び出し、これが地球を周回軌道に乗ってできたのではないか...
それほど、地質的に似ている星である。
かつては海があったのかもしれない。しかし、その重力から水分はきえてなくなり、クレーターと渓谷だけが残っている。

余談だが、地球には第2の月があるという人がおり、実際に現在の月をおいかけるようにして塵の集団が見つかっているというのである。
詳しくは、こちらを。
http://www.cgh.ed.jp/TNPJP/nineplanets/hypo.html#moon2

<写真:宇宙に咲いた花、エスキモー星雲>
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1970年代には、当時話題となった 冨田勲氏の 「惑星」を応援歌に、アポロ、ソユーズ、マリナー、ヴァイキング、ボイジャー、パイオニアと多数の探査機が惑星へと旅立ち、80年代にはリユース可能なスペースシャトルも打ち上げられ、二度のいたましい事故を経験しながら現在も継続されている。

そして、天文台からの天体写真から、電波望遠鏡、そして地球の大気圏外を周回するハッブル宇宙望遠鏡が90年代に登場している。

宇宙では遠い物体ほど速いスピードで遠ざかっている、つまり、宇宙は膨張している、という法則を発見したエドウイン・ハッブルの名をとったこの望遠鏡は打ち上げ当初はピンボケに悩まされ、ボケていながらもわかる程度に驚くべき星雲その他の天体の画像を捕らえていたが、数度のスペースシャトルミッションのチャレンジでそのピンボケは無事に修復された。
そして驚くべき写真の数々を送ってきたのである。



<写真:ワシ星雲の暗い部分を拡大すると・・・てっぺんの小突起は太陽系の卵とされている>
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地球外の星はほぼ 点にしかみえず、星雲や新星の形も大まかにしかわからなかったが、このハッブル望遠鏡の登場で芸術作品か、プランクトンか、美しいクラゲか、、、そんな星や星雲、銀河の数々が映し出されたのである。

とある銀河では円盤の中央の暗い部分に、最大級、半径2光年のブラックホールの形状を映し出し、ワシ星雲の暗い一部分を拡大すると、まるで入道雲のようなガス雲のてっぺんにある小突起が惑星系を生みつつある姿、 ハッブルディープフィールドという、120億光年、つまり宇宙が誕生して10億年も立っていない頃の原始銀河たちをはるか遠くに見ることもできるようになった。

そして、半世紀以上前にアインシュタインが予言した「重力レンズ」も確認され、宇宙の泡構造とも言われる、細胞膜を形成するように続く大銀河群と、グレートヴォイドと細胞の内側の空洞のように呼ばれる何も見えない空間の仮説の検証も進んだ。


また、この望遠鏡の驚くべきもうひとつの機能は、電波や赤方偏移など多くのツールを駆使して写真に収められた画像にある星や物体につき、それぞれ位置関係を立体座標で記録できることである。 つまり、地球からもっとも遠くにある立体デジカメなのだ。

このデータがあれば、大げさにはPC上でも簡単にあらたに大天体立体画像が再現されるというのだ。

<写真:車輪銀河。 銀河と銀河が相互に通り抜けて数万年経過した図>
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そして、銀河ですらも宇宙を動き回り、こうして銀河同士の衝突を起こしている風景もそのまま事実としてハッブル望遠鏡は我々に何のためらいもなく送りつけてくるのである。


しかし、こんな万能な望遠鏡をもっても、太陽系外の惑星そのものは観測されていない。

それはあまりに小さすぎるからである。

しかし、現在では、太陽系外恒星のかすかなふらつきや、惑星が恒星の前を横切るかすかな光の変化から推測を重ね、100以上の惑星の存在が確認されている。

しかし、地球のような大きさや位置にある惑星はまだ確認されていない。




数年前、地上では、ハワイ島マウナケア山頂に世界最大のすばる望遠鏡を設置され、天候さえ良好であればハッブルを上回る解像性能を発揮することも可能である。
この望遠鏡から、一時第10の惑星とされたQuaoar, Sednaなどの位置も導き出されているのだ。

こんな風潮の中、ブッシュ大統領はハッブルへの延命措置ともいえる、修復ミッションは今後送らないとも言明している。

写真:Hubble Space Telescope : Hubblesite.org
by i-coast | 2006-10-25 00:21 | nature